おいもの里の村長日記

京都府南丹市でおいも栽培に務める若手農家の日記

肥料の基本!三大栄養素を知ろう!

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農業を始めてする時、まず学ぶべきは肥料のことについてでしょう。

最近では減肥や無施肥農法もちらほら流行っているようですが、僕は有機物肥料も化成肥料もどちらも使っていくスタンスです。

意外な話なのですが、経験豊富な農家さんは結構この施肥(肥料をやること)を長年の勘でしてしまう人も多いのだとか。

 

しかし、僕のような新規就農者にとっては勘もくそもありません。

しっかりと施肥設計をすることが高品質で安全な作物を育てる第一歩です!

 

今回、本記事では、野菜栽培に必要不可欠な三大栄養素についてをご紹介していきます。

 

1.三大栄養素とは?

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窒素・リン酸・カリウムのことです。

肥料袋を見ると、「N・P・K」と表記されることもあります。

 

窒素・リン酸・カリウムは植物の生長には絶対に欠かすことのできない栄養素であり、他の微量要素は多少おろそかにしても、この三大栄養素だけはしっかりと計算してやらなければなりません!

 

窒素・リン酸・カリウムはそれぞれ、作用する場所が違います。

例外ももちろんありますが、窒素は「葉」、リン酸は「果実」、カリウムは「根」の成長を助長させます。

 

「あなた、ばかね!(葉果根)」と覚えてください(笑)

 

2.窒素(N)

まず、窒素は植物にとっては欠かせない要素ながら、過剰施肥に注意しなければならない要素でもあります。

不足してしまうと、著しく植物の成長が阻害される一方で、やりすぎると徒長して軟弱な株になってしまうのです。

こういった性質があるため、一般的に施肥計算は窒素を元にして算出する場合が多いです。

 

少しわかりにくいので、例えて表現すると、窒素は人間でいうところの米(炭水化物)にあたります。

米は食べなければ痩せてしまいますし、食べ過ぎると太ってしまいます。

 

植物も人間も、うまく主食と付き合っていくのが大事なのです。

3.リン酸

リン酸は開花や結実の際、非常に重要な役割を担うため、「花肥」とも「実肥」とも言われています。

庭に生えている果樹が摘果をしても大きくならないときはまずリン酸欠乏を疑いましょう。

リン酸は一般的に土壌からの流出が少ないため、元肥として施肥してからは追肥する必要がほとんどないです。

 

リン酸と言っても色んな種類がありますが、初心者の僕は「苦土重焼燐」を使っています。

同時に微量要素である苦土(マグネシウム)も施肥できるのでおすすめです!

4.カリウム

最後にカリウムは葉で作られた糖を根に運ぶ役割があるため、「根肥」と呼ばれています。

さつまいも栽培にはなくてはならない要素です!

もしも根菜類を育てるのであれば、カリウムの施肥はしっかりとこなしましょう。

 

カリウムも様々な種類がありますが、野菜栽培の場合は硫酸カリがおすすめです。

特に、サツマイモやジャガイモなど、デンプン質の作物では、硫酸カリが重要な役割を果たします。

 

5.まとめ

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本日は少し覚える内容が多かったため、短い記事になってしまいました。

もちろん、農業では、今回ご紹介した三大栄養素の他に苦土やカルシウムなどの微量要素も必要です。

しかし、一気に色んなことを覚えて、すべてを完璧にこなそうとするのは禁物です。

これは僕に農業を教えてくれた方からの受け売りですが、一つ言葉を紹介します。

 

「農業で大事なのは、ある程度の適当さだよ。」

 

中々深い言葉です(笑)

明日の記事では、今回覚えた三大栄養素を元にして、実際に施肥設計をしてみましょう!

今日・明日の記事を読めば、皆様も明日から家庭菜園を始められます!