農業系地域おこし協力隊を上手く利活用するために
みなさん、こんにちは。
最近の南丹市は年末に比べるとずっと暖かくて、動きやすい。まぁ、温かいとは言っても神戸から来る友人や家族はめちゃくちゃ寒いって言いますが。
さて、先日、地域おこし協力隊と農業への定着率に関する記事を書いたところ、コメントで「うちの自治体では定着が進まなぁったなぁ。」という言葉をいただきました。
正直、円熟期に入ってきた協力隊という制度ですが、就農の一手段として協力隊制度を使うということはまだまだ道筋として成立していないのでしょうか。
さて、本日は僕が考える、農業系地域おこし協力隊を上手く利活用する方法について意見していきたいと思います!
1.栽培品目の指定
まず、その自治体で何を栽培してほしいのか指定をすることは大事なことです。
僕は南丹市から何を栽培してほしいという要望はなく、さつまいもと決めました。南丹市の農家様は本当にいい人が多くて、「やってみろ。」と言って下さる方が多かったのですが、聞いた話だと、「無理だ。」と言われて自治体や他農家様の協力を得ることができずとん挫ということもよくあるんだとか。
自治体で農業系地域おこし協力隊を雇いたいと考えているのであれば、まずJAや農業委員会、有力農家と相談の上、栽培品目を決めた方が良いかもしれませんね。
2.受け入れ先を決めるか否か
南丹市ではなかったのですが、農業をミッションとするほとんどの自治体では農家や農業法人への派遣という形で受け入れ先を決めています。
受け入れ先を決めることによって、協力隊が急に赴任してきても露頭に迷う必要がなく、すぐに農業に従事することができます。
スタートダッシュの経費もまったくいらないこと、自治体側もあまり何もしなくていいのですごく楽だと思います。
しかし、これが問題を生んでいることも確か。
まず、協力隊は長くて1日8時間勤務、週5日です。対して農業は農閑期と農繁期が存在し、1日8時間も働いて欲しくないという日もあれば、残業を頼みたいという日もあるのです。
でも、協力隊は残業も勤務時間の変更も認められません。受け入れ先はしっかりと8時間の勤務で収まるよう業務を指示しないといけません。
これが受け入れ先にとっては困りごと。
(逆に協力隊に対し、受け入れ側はサービス残業を要求する、いわゆるブラック協力隊なるものも存在するのも問題です。)
受け入れ先を決めることは協力隊も自治体も負担は軽くて済みますが、任期3年後はどうするのか、そして、バイトのような作業体系で活動する協力隊に「地域おこし協力隊」としての価値がいかほどあるのかどうかがわかりませんよね・・・。
3.就農までのアクションプランを綿密に相談
最後に、就農までのアクションプランを綿密に協力隊・自治体双方で相談しておくのは大事です。
報告・連絡・相談とはよく言いますよね。
任期直後から、1年目は何をして、売り上げはいかほど出るのか、2年目はどうするのか、3年後は独立に向けてどうするのか等を自治体と話すことによって、自治体側も協力できる幅が広がります。
一番いけないことは行政機関の力を一切借りずに任期中過ごすことです。
ぶっちゃけた話。協力隊はコミュニケーション能力が足りない方も多いことは確かです。(一時期界隈から無職のたまり場とまで言われていました。)
普通であるならば、これは協力隊側から提起することですが、自治体側も放っておかず、こちらからコンタクトする必要があると思います。
4.最後に
僕は南丹市で地域おこし協力隊として農業活動を担うようになって思うのは、まだまだ南丹市では若手新規農業者を受け入れる地盤が整っていないということです。
これはそれまでしっかりと努力している自治体や農業委員会への批判ではありません!
なんと言いましょうか。公的機関の慢性的な問題である、「かゆい所に手が届いていない」という感じでしょうか。
なので、僕は任期中ただ農業するだけでなく、こういった問題の解決にもチャレンジしていきたいと考えています。
先日のブログでも書いた通り、今、地域おこし協力隊制度が就農への道筋として熱くなっています!
だからこそ、自治体も受け入れ方を考えるべきなのではないでしょうかと思うのです。
チャンスは平等にやってくる!でもチャンスを物にできるかどうかは行動次第!