儲からないから「やらない」のか。
最近、有人と農業経営の話をすることが多々あるのですが、その中でよく言われるのが、
「農業ってほんまに儲からんなぁ・・・。」
っという言葉でした。
今のところ、日本の社会ではこれが常識ですし、真実であると思います。実際に僕が今のまま現状維持で農業をしても、おそらくすぐに辞めると思います。
(自分と家族を食わしていくお金になんないからね!)
そこまでわかっておきながら、なぜ僕は農業という道を進むのか。少しだけ思いを語らせていただこうかなと思います。
1.そもそも農業に対して希望を抱いていない。
まず、僕自身、農業に対して夢を持たずして農業に挑んだ若者ですから。希望的観測とか、夢とかまったくないところからのスタートでした。
実際、前職でも、そりゃ上手くはいかなかったですね。
初心者がする農業なんてたかが知れています。何度も何度も失敗を繰り返してきました。
何度も決算書や収支計画を見直しても、儲かる算段が僕には見当たらなかったんですよね。
ネガティブなイメージから入ったので、そりゃもう楽しさ(育てる喜びだったり、地域の方との関わりだったり。)を知った時は感動でしたね。
農業の過酷さを知っていて、その上でやりたいと思えることが僕の支えになっているような気がします。
2.やれば何かが見えてくる。
若者というのは結構答えを急いてしまうものです。僕もそうです。答えが早く欲しくて、その筋の方から厚かましく教えを乞いに行くのは常々。
働いた分のお金は少なくとも来月には欲しいし、早く出世したい。
そう思う若者がほとんどであるような気がします。少なくとも僕の周りは。
でも、人間80歳まで普通に生きる世の中です。
20代の内から結果を焦っていてもしょうがないと思うんです。特に農業なんか、1年に1回しか結果がでないですからね。
3年間地域おこし協力隊として、報償費を貰っている限りは安泰なんですから、目先のことは考えず、とりあえずやってみることが大事なんじゃないかって思うんです。
計画性がないと言われればそれまでなんですけど、農業で今からビジョンやら夢やら持っていた方が危ない気もしますし。
目標を持つことは大事です。(僕の場合、3年後、農業所得200万円)
でも、答えに固執して、臨機応変な動きができないどころか、辞めてしまうのは本当にもったいない!
3.儲からないから「やらない」のではなく、だからこそ「やる」ことの大事さ
儲からないから「やらない」っというのは誰にでも言えます。誰でもそうすると思います。また、最善の策であるとも思います。
でも、誰もやらないで、果たして、今目の前にある食べ物を誰が今後作ってくれるのでしょうか。
アメリカですか?中国ですか?
はっきり言っておきますが、食料を外国任せにすることは恥であると思います。
日本は豊かな水と天候に恵まれた、世界有数の穀倉地帯です。そんな宝物を持ち腐れしたあげく、食料を海外から輸入するような時代は嫌です。
これは別に輸入食料に対し手嫌だと言っているわけではなく、ただ単に日本人としての誇りとかそういう問題です。
儲からないから「やらない」で、一体誰がするのでしょうか。
「僕がやります!」
そう言うことができたらカッコいいと思いませんか?(笑)
まだ僕にはそこまで堂々と言う資格はありませんが、近い将来、そうなるように頑張っていきます。
誰もやりたがらないことをやるということは、農業だけでなく、どのようなビジネスの世界でも同様に大事なことです。
チャンスが転がっているところ目掛けて右往左往する人生に何の面白みがありましょうか。
チャンスを大切に、自分の手で創り、繋げて、拡げていくことこそが真の出来る人間なんだと思います。