おいもの里の村長日記

京都府南丹市でおいも栽培に務める若手農家の日記

南丹銀時の栽培が2020年スタートします。

久しぶりにまともなことを記事にする気がする。

書くネタがないんだよ!

 

ずっとブログでさつまいも、さつまいもと狂ったように連呼している吉田ですが、実はただ単にさつまいもを作るわけではありません。

 

色んな農家さんや各地の知識人から様々なご意見を頂き、南丹市だからこそできる、最高級のおいもを作ろうとしています。

そして、来期、試験的に栽培させていただくブランドが南丹銀時」

命名は僕です。市役所の地域振興課の方にも色々ご意見伺いました。

 

今日はこの南丹銀時をどのように栽培していくのか、ご紹介させてください!

 

1.育苗

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実際はこんな感じでハウス育苗します。

実は、さつまいもで最も大事なのは育苗です。

南丹市では、ほとんどの農家さんが苗を他社や種苗店で購入して植え付けているみたいですね。

南丹市は腕の良い種苗店があり、僕も実際タマネギの苗はそこで購入しました。

 

でも、さつまいもはこだわるからこそ、自分で育苗させてほしい・・・っと言うより、ただ単純に「南丹銀時」の品種苗は全国探してもあまりないからです。

なかったら自分で作るしかない。

 

来期の育苗については半自家製育苗という形を取ります。

業者様からポット苗を購入し、それを育苗用圃場に3月に植え付け。それを2重トンネルによって25度~30度くらいまで加温します。

さつまいも苗は加温さえしてあげればどんどん伸びてきます。

 

実は、この2重トンネル型の半育苗をするのは前職時代はやったことなく、やってる農家さんもあまりいないと思います。

本当はハウスの中でトンネルを作るのが一番なのですが、残念ながら適するハウスが見当たりませんでした・・・。

 

そういうわけで、なかったらなかったで加温装置は作ればよい。

上手くいくかわかりませんが、2重トンネル半育苗、挑戦していきます!

 

2.定植

すくすくと育った苗は20センチ~30センチになったところで切ります。

切った苗は病気を予防するため、予防接種をしないといけません。人間の赤ちゃんと同じなんです。

予防接種をした後はいよいよ定植!

船底植えにするか、斜め植えにするか迷う・・・。

販路次第ですね!

定植は大体5月~6月半ばで終わらせるのが良いです。早く植えても霜にやられる可能性がありますし、遅くに植えてしまうと肥大が間に合いません。

 

3.防除

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さて、お次は害虫や雑草の防除ですね。これが大変なんだ。真夏に草刈り機や噴霧器を背負うのはまじで辛い。

ちなみに、さつまいもはあまり薬剤をやらなくても大丈夫な作物です。多少害虫に葉っぱをやられても、彼らは丈夫に育ってくれます。

ナガジロシタバやヨトウムシさえ気を付けていればなんとかなるでしょう。

 

雑草についても頑張るのは定植してから1ヶ月の間だけ。

マルチをしていない畝間の除草を1ヶ月頑張れば、あとは蔓が畝間に伸びてきますので、雑草が生えることはありません。

あれ?結構楽やん。

 

4.収穫

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さてさて、待ちに待った収穫!

機械でがっと!行きたいところですが、文なし、物なし、機械なし。頼れるのは己の肉体のみ。

っというわけで、収穫は自分の手とスコップ先生で行います。

芋づるを食べる人もいます。僕も芋づる食べる人間なので、もしも欲しいという方がいれば、9月~10月の間は譲りますよ~。ついでに芋買ってね。

 

5.販売

そして、販売。ここが一番大事。

実は、販路、決まりつつあるのですが、まだ心許ない状況。道の駅とかにも卸していきますが、何より一番したいのが消費者様に対する直販。

これを上手にやって、固定のファンを呼びたいところですが・・・。

上質で美味しいものを作ってからですね!

販路については今後も悩み続けていきます。もしも情報があったらコメント等で教えてね。

 

6.2020年スタート

2020年、いよいよ南丹銀時の第一期目栽培がスタートします。

前職からさつまいもは作り続けているとは言え、結構初めてのことにもチャレンジしますし、なにより会社時代に比べてものも機械もない状況。

ないものねだりはせず、あるものを最適化して使っていくことこそ、田舎ビジネスの心理と見たり!

しっかり頑張っていきます!