おいもの里の村長日記

京都府南丹市でおいも栽培に務める若手農家の日記

【朗報】政府が方針を大転換!?小規模農家を再評価!

本日の農業新聞にすごく興味深い内容の記事があったので、少しだけ、それについてお話します。

あ、ちなみに記事URLは下に乗せておきますねぇ~。

www.agrinews.co.jp

 

中々すごい方針の転換だなぁって思うんですよね。

食料自給率やカロリーベースなど、数値面のことを最重要視してきた農水省がようやく中山間地やマイナー農業にも目を向けてくれたのかなぁっという感じ。

本日の記事では、僭越ながら、この記事のことについてお話したいと思います。

 

1.今までほぼ見捨てられてきた中山間地農業

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広島の山間部農家のゴマ畑

実は、これまで中山間地の農業というのはほぼ見捨てられているような状態だったと個人的な解釈ですが、そう思います、

もちろん、補助金などのばら撒きは多少あったでしょうが、お金をばらまくだけで中山間地の農業が長続きするかと言うと、そうではありません。

見捨てられていたというのは、補助金が無いとかという意味ではなく、国の施策として明確な長期的プランがなかったということです。

 

もちろん、今回の農業・農村政策審議会企画部会で具体的なプランが指し示されていたかというと、そうでもないのですが、それまで臭いものには蓋をするが如く、少ない補助金でなんとかしてきた中山間地・小規模農業にも陽の目が出てきましたね。

 

実際中山間地は政府や自治体が推し進めている農地の集積・集約、それをまとめあげる農業生産法人の立ち上げが難しいです。

なぜなら、集積したとしても、採算がとれないため。

そもそも、農地を一元的に管理するメリットは大型機械やITの導入により超効率化にあります。

中山間地は段々畑が多く、かき集めて面積だけ大きくしたとしても、1枚20aとか30aとかの小さな畑しかありません。

これを一枚ha単位に直そうとすると、相当な土木工事が必要です。

 

南丹市を見てみるとそれが本当によくわかります。

平地が多い園部町八木町は農地集約に成功し、今では農事組合法人などが一手に担っている状況があります。

ところが、日吉の中山間地や美山町ではそれが中々進んでいません・・・。

 

これまで政府が進めてきた、担い手への農地集積や法人化、組織化では中山間地農地は守る事ができなくなったのです。

 

2.増える地主の負担をより軽く

今でも尚、中山間地の農地は地主さんが管理をしているような感じです。

地主さんは先祖から引き継いだ畑を仕方なしに、採算度外視・惰性で米を作っているような方も多いのが現状。

最悪、管理もせず遊休地にしたり、ソーラーシェアリングに転換したりします。

 

こういった、いわゆる非農家地主への補助が絶対に大事だと僕は考えます。

中山間地では、効率化が必ずしも100点ではありません。非農家地主がやる気を出して自分の畑を守ってくれるような補助とビジョンが必要なのです。

(あ、これ地域おこし協力隊としてのミッションかもしんないな。)

 

3.もちろん反対意見も・・・。

しかし、反対意見ももちろんあります!

この新聞記事で出た反対意見の言葉を引用します。

 

「小規模では(農産物の安定供給は)無理。法人化するレベルでないと世界と戦えない」(キリンホールディングスの磯崎功典社長)

 

う~ん。言ってることは正しいのだけどなぁ。そもそも小規模農家が安定した農作物の供給や世界を相手に戦うビジョンがあるのかどうかってところです。

じゃあ、大企業がめちゃくちゃ非効率な中山間地の農地を引き取って一手にやってくれるか?という話なのです。

結局のところ、それが無理だから農業系法人が流行っているこのご時世でも中山間地の農地は余っています。

 

しかしながら、多数の小規模農家を支援するのであれば、それなりの基準や条件は設けないといけません。

確実になんちゃって農家のハイエナは寄ってくると思う。

ただでさ、農水省は新規就農者へのばら撒きで予算不足に陥っていたりしますしね。

 

4.まとめ

さて、本日は少し難しい話をなるべく簡単にしたのですが、うまく国が施策として小規模農家を再評価し、補助してくれれば農業の未来はまた明るくなりそうですね!

もちろん、僕は国をあまりあてにせず。しっかりと自活できるように頑張りますよ!